忘れ雪


クロス


 うらうらうらーっ! しばらく「ポケモン・ルビ・サファ」に没頭して中断していたが、ついに純恋小説「忘れ雪」を読み終えた。あの新堂先生が書いた恋愛ものって? と興味を持ちつつも「マジ恋愛ものなのか?」「一般読者を陥れようとしているのか?」と胸奥で疑問符が鎌首を擡げ、買うのを躊躇っていた。
 ジャケのかわゆい子犬(クロス)の絵や、帯の田中麗奈の「…胸が熱くなる奇跡の恋物語…」と中村獅堂の「泣けた。…」、「超一流メロドラマ復活宣言」や「”純恋”小説(ピュア・ストーリー)」の甘酸っぱい文字のオンパレード。おそらく前半の立ち読みで買った読者は、後半の展開に戸惑う事だろう。が、新堂ファン的には向こう見ずの愚か者が登場するのが遅い気がする。一般読者を陥れるにはこれくらいの手加減をしないと、読むのを放棄されかねないからか? 
 それでもストーリー自体は他の作品より荒んでないので、ジャケ買いの読者にも素直に入り込めるだろう。新規読者開拓か? はたまた「炎と氷」の前の口直しか?
 思考のチャンネルを切り替えた。「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督は「思春期に実際の恋愛をすることができず、想像することの方を楽しんだことが、今こうして映画で解消されているのではないかという気もします。」と言っている。新堂先生の場合この線はありか?



Posted: 金 - 12月 5, 2003 at 02:31 午前          


©