LV11


釣り


海を眺めるアンダマン。潮風が心地いい。故郷のアンダマン海の事を思い浮かべているのだろうか。その冥い眼の奥底に宿る一筋の光。何かが音を立てて崩れ落ちた。

釣りに目覚めるアンダマン。竿もいきなり高めの物を購入した。えさはゴカイやサビキ。サビキは同時に3匹もつれる優れものだ。だがアンダマンのスキルで釣れる魚など、たかが知れている。売れたとしても、腹の足しにもなりはしない。

思考のチャンネルを切り替えた。風の噂によると、ベテランの釣り士達は堀ブナを一万匹集めているらしい。アンダマンの嗅覚が金の臭いを嗅ぎ分けた。堀ブナといえば淡水魚だ。えさを虫だんごに替え、街のお堀へ向かった。釣った。釣った。釣った。やはり堀ブナは今まで釣った魚よりも20倍の高値で売れた。アンダマンは恍惚の表情を浮かべ、舌なめずりをした。

Posted: 金 - 1月 9, 2004 at 02:23 午前          


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