ドッグヴィル


DOGVILLE


「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督最新作「ドッグヴィル」を観た。セットは組まず、広いスタジオに白い線で家の見取り図を描き、その中で役者が演技をしていた。扉を開けるパントマイムをすると、ギィーという効果音がする。その瞬間、嫌悪感が鎌首を擡げた。げ、俺は映画が観たかったのに…。だが数分後、何かが音を立てて崩れ落ちた。そして一気に物語に引き込まれている自分が居た。

この監督はトチ狂っている。前作もそうだがフライト恐怖症でアメリカへ行った事がないのに、アメリカの暗黒面を執拗にえぐりだしている。アメリカに呪詛を唱え続けている。「ドッグヴィル」は、監督の頭にちりばめられたアメリカ像で構成されたデンマーク映画なのだ。

ネタバレなのでこれくらいにしておくが、主演のニコール・キッドマンがとてもとても素敵で愛らしかった事を付け加えておく。アンチハリウッド万歳。

Posted: 木 - 2月 26, 2004 at 02:24 午前          


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